決算書の実態修正
ある日のクライアントとの会話。
「前期でようやく黒字になりました。銀行からの融資は可能ですよね?」
このような相談を受け、取りあえず決算書5期分を見させて頂きました。
確かにP/L上、黒字となっていますし、B/S上も債務超過にはなっていません。
しかし、B/Sの流動資産を見てみると、短期貸付金が数千万円あり、その額はほとんど減っていません。また、売掛金の内訳を追っていくと、長期に亘って残っている売掛金があります。
よくよく聞いてみると、貸付金は知人の会社に頼まれて貸したが、返してもらっていないしこの先も回収できるかどうかわからないとのこと。売掛も同様、先方の経営が厳しく、回収できていないとのことでした。
資産とは、利益に繋がる現金化されるもの以外に価値はありません。むしろ、本来ならば貸倒償却するか少なくとも貸倒引当金を積まなければなりません。
このように決算書を実態修正すると、あっという間に大赤字に転落し、B/Sも債務超過となりました。
「社長、税理士さんは合法的に税務署に対して通る申告を行うことを目的として決算書を作成します。逆を言えば、税務署は納税する企業の費用や損をなるべく認めないスタンスにあります。しかし銀行は、融資を返済してもらえる可能性を探るために決算書を分析しますので、融資先企業の費用や損をできるだけ計上して決算をみるスタンスにあります。」
「だから、表面上黒字決算だからOKという単純なものではないんですよ。特に売上は発生主義ですから、未入金であっても売上計上されます。ここが一番実態と合わなくなってしまう点です。だから、資金繰りも苦しくなっているんです。」
「結論、このままでは決して銀行からは良く見られません。まず真っ先に取り組まなければならないことは、売掛金と貸付金の回収ですよ。」
化粧を落として素顔を見る。 まずはそこからしか、問題点は見えてきません。
「前期でようやく黒字になりました。銀行からの融資は可能ですよね?」
このような相談を受け、取りあえず決算書5期分を見させて頂きました。
確かにP/L上、黒字となっていますし、B/S上も債務超過にはなっていません。
しかし、B/Sの流動資産を見てみると、短期貸付金が数千万円あり、その額はほとんど減っていません。また、売掛金の内訳を追っていくと、長期に亘って残っている売掛金があります。
よくよく聞いてみると、貸付金は知人の会社に頼まれて貸したが、返してもらっていないしこの先も回収できるかどうかわからないとのこと。売掛も同様、先方の経営が厳しく、回収できていないとのことでした。
資産とは、利益に繋がる現金化されるもの以外に価値はありません。むしろ、本来ならば貸倒償却するか少なくとも貸倒引当金を積まなければなりません。
このように決算書を実態修正すると、あっという間に大赤字に転落し、B/Sも債務超過となりました。
「社長、税理士さんは合法的に税務署に対して通る申告を行うことを目的として決算書を作成します。逆を言えば、税務署は納税する企業の費用や損をなるべく認めないスタンスにあります。しかし銀行は、融資を返済してもらえる可能性を探るために決算書を分析しますので、融資先企業の費用や損をできるだけ計上して決算をみるスタンスにあります。」
「だから、表面上黒字決算だからOKという単純なものではないんですよ。特に売上は発生主義ですから、未入金であっても売上計上されます。ここが一番実態と合わなくなってしまう点です。だから、資金繰りも苦しくなっているんです。」
「結論、このままでは決して銀行からは良く見られません。まず真っ先に取り組まなければならないことは、売掛金と貸付金の回収ですよ。」
化粧を落として素顔を見る。 まずはそこからしか、問題点は見えてきません。
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