沖縄の経営コンサルタント徒然日誌

沖縄で経営コンサルタントを営んでいます。経営に関することから日々の中で感じたことを、徒然なるままに書いていきます。
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営業の本質

経営者の頭の中は、とにかく「売る」こと「どうしたら売れるか?」ということでいっぱいです。

営業マンにノルマを押し付け、「とにかく売ってこい!」なんて尻を叩きまくる会社も未だにたくさんあります。

でも、ここで一つ考えて頂きたいのが、「そんな営業方法でいいのですか?」ということです。

私の会社の電話にも、よく営業電話がかかってきます。「こういういいお話があるので、一度是非お話だけでも聞いて頂きたい」「一度ご挨拶に伺いたい」などなど・・・。

恐らく看板を出していらっしゃるようなオフィスでしたら、飛び込みの営業も多いことでしょう。

しかし、逆の立場で想像して頂きたいのですが、そういう電話やアポなしの訪問って嬉しいですか?

「優しくすれば強引に何かを売り込まれるのではないか」という不安感。

「そもそも相手が何者か、どういう会社なのかさえ知らない」不信感。

そういった心理が強い警戒心を生み出します。

どんなに素晴らしい商品やサービスでも、知ってもらわないことには売れません。しかし、「知ってもらう」ということと、「売り込む」ことは違います。

「売り込まれている」と感じていい気がする人はあまりいません。ですから、営業とは「知ってもらう」ことであり、「売り込む」ことではないと肝に銘じておかないと、人は固く心を閉ざしてしまい聞くことすら拒否してしまいます。


経営者であればよく様々な異業種交流会に参加される方も多いと思いますが、ここでも同様です。

いきなり初対面の人間に商品を売り込まれても引いてしまいますし、「この人は自分のことを客としてみてるんだなぁ」という少し悲しい気持ちにさえなってしまいます。

まずは何をしている会社なのかを知ってもらえればいいんです。

そこで何より大事なのは、信用されること、信頼されることです。信用、信頼が生まれれば、後は相手にその必要性が生じた際に黙っていても向こうから声がかかってきます。

最後に、素晴らしい記事がありましたので、少し長いですが転載しておきます。

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わらしべ長者とfacebook.

作成: 売れるチカラ!OKINAWA 日時: 2011年11月7日 15:53 ·

“フェイスブックで上手にビジネスをするコツは、ビジネスをしないこと”っ て、よくいわれます。そりゃフェイスブック上で自社の宣伝ばっかりしていたら、ソッポ向かれるのは当然ですよね。だって、「お呼びじゃない」から。人が楽 しく“友達”同士の会話を楽しんでいるとこで、「ところで、うちの商品の特徴はさ!」とか、「ね、うちの店に来てよ!」とかのべつまくなしに叫びまくられ ていたら、うるさいし、ジャマ!「キョーミないしぃ…」です。ところが一方で、フェイスブックに登録した目的の4割がビジネスユースだというレポートもあ るわけです。

http://www.advertimes.com/20110413/article11186

※アドヴァタイムス(宣伝会議)本年4月掲載

というわけで、「ビジネスはしたいし、しちゃ逆効果だといわれるし、じゃどうするの」というのが、今回のテーマ。前半は、おなじみのわらしべ長者のお話から“無償のギフト”が生むパワーの本質を探り、続けて後半は現代のわらしべ長者の実例から、共感が巻き起こす“エンロール(自発的巻き込まれ)”の重要性を確認、フェイスブック活用の最重要ポイントを探ります。

さて、今回は、かなり長くなりますので、お茶とお茶うけを用意してご覧ください。

【物語の始まりは、「貧乏はいやだ!」だった。】

一人の貧乏な青年が「ビンボーから脱却したい」と観音様に願ったところ、夢でお告げが。その内容は、「はじめに触ったものを、大事に持って旅に出なさい」。

ところが男は、観音堂から出た途端、けつまづいて、手にしたものが一本のわらしべ。で、男は夢のお告げを守って、わらしべを手にてくてくと旅に出る。

大きなアブが顔の周りを飛び回ってうるさいので、とっ捕まえて、わらしべに結びつけ、また歩き出した。すると道端で大泣きする男の子。わらしべのアブを見つけて、欲しがった。男は、わらしべのアブを男の子にあげた。よろこんだ母親が、お礼にとミカンを男にあげる。

しばらくいくと、娘さんが道端で苦しんでいて、水を欲しがっていたので、男は、もっていたミカンを娘にあげた。お返しに、娘は絹の布をあげた。

とつづき、以下、絹の布⇒死んだ馬⇒(途中略)⇒屋敷 となるわけです。

【わらしべ長者は、物々交換の話じゃないのだ】

この、わらしべ長者の話、物々交換で一本のわらが遂には屋敷になった話として受け取られていますが、実は、この話の中で物々交換は一度も行われていない。

男の行為は、常に無償のギフト、困った人に自分の持ち物を惜しげもなく提供している。で、物々交換に見えたものは、実はその返礼なんです。一本のわらしべが遂には屋敷になった秘密が実は、この「無償のギフトとその返礼」のなかに隠されているんですね。

これが物々交換であったら、交換される者同士の価値は原則として等価です。だって物々交換とはいえ、それは商取引なのですから。ところが、ここで行われているのは実は取引ではなく「贈与の交換」なんです。贈り物をいただいたら、もっといいものをお礼返ししたくなるというのは、どうも人間の本質のよう。

一本の赤いクリップから、交換を繰り返してついには家を手に入れた、カナダのカイル・マクドナルドさんの話。テレビでも紹介されているし、本も出ているので知っている方も多いはず。

カイルさんは、Bigger and Betterというゲームを思いついて、物々交換のサイトに一本の赤いクリップを出品し、交換を繰り返すことで1年後には一戸建てを手に入れたい、と宣言 しました。で、その結果、赤いクリップ⇒魚のデザインのペン⇒スマイリーマークが付いた陶器のドアノブときて、最後に、2階建ての家を手に入れた、という 実話です。

http://oneredpaperclip.blogspot.com/
http://oneredpaperclip.cocolog-nifty.com/blog/ (日本語サイト)


【交流の中から、価値が生まれる】

この一連の交換の中で、カイルさんがやった重要なことが2つあります。

ひとつは、交換のプロセスをちくいちブログで紹介していったこと。そしてもう一つは、交換するために、直接、相手を訪ねて行った、こと。

バンクーバーからマサチューセッツ、カリフォルニア、そしてニューヨーク、ロッキー山脈、トロントと、えんえん北米大陸を旅する中で、物々交換を通して丁寧に人に会い、その情景をブログで紹介していったんですね。そこに物々交換を通して価値が増大していった秘密があります。

さきほど、物々交換は商取引なので、原則として交換される者同士の価値は等価だ、とお話ししました。じゃあ、なぜ、一本の“ほとんど無価値”の赤いペーパークリップが、一戸建てに化けるなんて奇跡が起こったんでしょうか。

それは、カイルさんが提供したのはペーパークリップそのものの価値ではない、から。

カイルさんが提供したのは、「物々交換で、赤いペーパークリップからはじめて、一戸建てを手に入れられるか」というゲームなんです。で、そのゲームの重要 な要素が、交換に際しては、実際に自分が訪問するというルール。そのためにカイルさんは、広大なアメリカ大陸を自分の足で横断、縦断している。

では、そのルールによって何が生まれたのでしょうか。

それは、人と人との出会いというストーリー。で、その出会いの様子をブログで紹介していくことで、人々の共感を呼び、その共感(のレスポンス)がストーリーに厚みとリアリティを与えていった。それが、人々を巻き込む(エンロール)パワーとなったわけです。

つまり、赤いクリップから始まる物々交換で、カイルさんが提供していったのは、「モノ+出会いのストーリーへの参加(エンロール)」なんです。だから、交換するたびにエンロールの分だけ、交換価値が上がっていった。しかも、ストーリーの厚みが増すことで、価値自体も上がっていった。

【では、フェイスブックでビジネスする秘訣とは】

【ステップ 1 信用される】

まず大切なのが、自分がだれかを明らかにすること。伊達直人じゃだめなんです。

なぜか。

われわれがフェイスブックを利用するのは、顧客(あるいは潜在客⇒できうるなら見込み客)と継続的・安定的な関係を築きたいから。そのためには、相 手に信頼される必要があるし、そもそも信頼されるためには、まず信用される必要がある。だから、匿名だとアウト、となるんですね。ということで、フェイス ブックのプロフィールは丁寧につくりましょ(写真は必須)。

【ステップ 2 信頼される】

で信用されたら、次に信頼。信頼を得るためには、あなたがどんな人で、どんなことを考え、なにに価値を見出しているかを知ってもらう。

とはいっても、自分のことを知ってもらおうと、一方的に「俺ってさー」って話しかけても、たいていは相手にされません。「ウザっ」で、バッサリ。

ではどうすれば自分の話を聞いてもらえるかというと、答えは簡単、「相手の話を聞く」。相手の話を聞くことで、コミュニケーションが生まれ、コミュニケーションの中で、自分のことに興味を持ってもらい、そこで初めて、自分の話を聞いてもらえる下地ができる。日常の人間関係とおんなじですね。

【ステップ 3 無償のギフト】

丁寧なコミュニケーションを通して自分に興味を持ってもらい、興味を持ってもらうことで、仕事の話を聞いてもらう下地ができる。

しかし仕事の話といっても、やはり宣伝はアウト。

宣伝ではなく無償のギフト、価値あるギフトとして“専門的なアドヴァイス”、を誠意を持って提供する。

わらしべ長者がタダのものから価値を生み出した源泉は、“誠意と奉仕”。それが無償のギフトになって現れ、相手に信頼・感謝され返礼となって帰ってきた。

価値のあるものを見返りを求めず(溜息)提供する、じつはそれこそが、フェイスブックをはじめとするネットメディアでビジネスする最初の一歩。ここを勘違いすると、冒頭に申し上げたような“相手の耳元で宣伝文句を喚き散らす”ということになってしまう。

【ステップ 4 エンロールを生む】

信用され、信頼され、興味を持ってもらい、知ってもらう。そしてギフトを通して評価され、でも、それだけではお客様にはなってもらえない。

お客様になってもらう、しかもファン客になってもらうためには、自発的に巻き込(エンロール)まれてもらわなければならない。そのための最も基本的な手段が“いいね”であり、自社ホームページのシェア。

ところが、ただ“いいね”してもらってもあんま意味がない。

じゃあどんな“いいね”やシェアがいいかというと、それはコメント付。自分がその記事やホームページにどんな興味を持ったか、という“かかわり”が重要なんです。

なぜかというと、コメント付のいいね、シェアっていうのは、やっぱ「紹介する以上は」っていう責任感が生じるんですね。その気持ちが、さらに積極的なかかわりを生む。しかーし、その気持ちは、ほっとくとわりにすぐに薄れてしまう。

【ステップ 5 着地させる】

じゃあ、薄れさせないためにはどうするか、っていうと、店舗に実際に足を運んでもらうとか、キャンペーンに参加してもらうとか、具体的な“行動”に定着させていく工夫が必要。そのために特に重要なのが、インターネット上でのランディングページの設定。

長くなりすぎたので、端折りますが、フェイスブック上でエンロールしたら、具体的な行動を誘発するために、相手に何をしてほしいかを伝える必要がある。でも、それをフェイスブック上でするには無理がある。なので、自社サイトに誘導して、なにをするべきか、どういうふうにするか、の具体的な手順を教えてあげる。

この長いプロセスを経て、フェイスブックを活用したビジネスっていうのは効果が生まれるんですね(ふぅ)。

お互い、頑張りましょ。そして、長い文章にお付き合いいただいて、ありがとうございました。
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Posted by 知念哲郎 at 2012年09月14日   12:58
Comments( 0 ) 経営
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