沖縄の経営コンサルタント徒然日誌

沖縄で経営コンサルタントを営んでいます。経営に関することから日々の中で感じたことを、徒然なるままに書いていきます。
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クレームの作り方

ある日のこと。
テレビをつけていると、いつの間にかチャンネルがNHK 1チャンネルに切り替わっていた。
おかしいと思いながらも気のせいかと、リモコンでチャンネルを変えようとしたが、変わらない。それどころか、リモコンの電源オフのボタンや音量調整のボタンを押してもウンともスンともいわない。

購入してまだ一月も経っていないのに、やれやれ故障か・・・と、取扱説明書の問合わせ先とあるところに電話をした。

色々指示をされ、その通りにやって状況を報告したところ、どうやらリモコンの故障のようだった。

「で、どうすればいいんですか?」と尋ねると、「こちらから新しいリモコンをお送りするか、お買い上げの店舗に在庫があればそこで替えて頂くか」とのことだったので、郵送だと時間がかかるのが嫌だったものだから、買ったお店で替えてもらうことにした。

ここまでは、「やれやれ、ついてなかったな」といっただけの感情だった。いくら買ってまだ一月も経ってない新品とはいえ、所詮機械、まぁしょうがないなと。

問題はここから。

早速、購入した大手家電量販店に電話した。

話中・・・。何度かけても話中で一向にかからない。20回ほどかけ直してようやく繋がった。

事情を話すと、「リモコンは保証の対象外です。」と、開口一番に出た言葉がこれ。

「いやいや、買って1カ月も経ってないんだけど」と言うと、「であれば大丈夫です。では現物を持ってきてもらえますか?こちらで本当に故障しているのか検査後、新しいのと交換致します。」

「だから、さっきまでメーカーさんとやり取りして、本体ではなくリモコンの故障だから、替えてくれるって言ってましたよ。それと、僕がそちらまで行かなくちゃいけないんですか?」と言うと、

「そうですか、それでは新しいのをご用意しておきます。こちらからお届けしてもいいのですが、それだと今日は行けません。明日以降となりますが・・・。」

「僕がそちらに行くのに20分かかりませんが、そちらがこちらに来るのにはそんなに時間がかかるんですか?」

「色々と都合がございまして・・・」

この辺りからイライラしてきたが、逆に面倒くさくなりこちらから現物持って行くことにした。「お待ちしております。私〇〇と申します。」

お店に着き、担当者の名前を告げるが接客中とのこと。

「ん?僕は待たされるの?」「すみませんが・・・」10分経過しても現れない担当者。「もう君でいいから対応してよ」と、少しばかりキレ気味に。

「では現物を確認させて下さい」リモコンを渡して再度、状況を説明する。

「このリモコンのボタンを押すと普通光るところが光ってないんだよ」

「お客様、光ってますが?」

「ホントだね。でもね、メーカーさんとやり取りしている時も一時は治ったんだよ。でもしばらくしたらまた同じ症状になったんだ。だからまたなる可能性があるでしょ?」

「・・・わかりました。」ようやく新しいリモコンを持ってきてくれた。最後は軽く「すみませんでした」と一言だけ。


さて、キレるポイント、いくつ発見できましたか?

①電話がなかなか繋がらなかったこと。(何のための窓口?)
②いつ購入したかの確認もせず、一方的に保証外と決めつけてきたこと。(人の話をちゃんと聞きなさい)
③メーカーとのやり取りも話し、メーカーは交換すると言っているのに、検査をしてからなどと言うこと。(疑ってるの?)
④在庫もあるのに出向くのであれば時間がかかるとほざき、こちらへ来いということ。(悪いのはどっちだ?なぜ客に来させる?)
⑤今すぐ行くと言ってわざわざ出向いて行ったのに、その担当者は接客中とのこと。(普通、待機して待っているだろ)
⑥別担当者には故障していないとして、何か疑われたこと。(新しいリモコンが欲しいだけのクレーマーと思ったか?)
⑦最後に「わざわざ出向いて頂き、誠に申し訳ございませんでした。」の一言がなかったこと。(なぜ、その一言が言えない?)

いくら安さで勝負している量販店とは言え、こんな対応はないだろ。

故障したことがクレームなのではない。対応のまずさ、誠意のなさが、セカンドクレームを起こすのだ。  


Posted by 知念哲郎 at 2013年05月22日 20:08
Comments(0)経営

人は、見たいように見、聞きたいように聞く。

マスメディアの偏向報道ぶりには呆れるばかりだが、「そもそもメディアは事実を伝えているのではない。報道したいことを報道したいように報道しているだけであり、報道したくない事実は報道しない自由もあると考えている」そう割り切って受け止めた方が良いだろう。

しかし残念ながらこの傾向は、何もマスメディアに限ったことではない。

そもそも人は、「見たいように見、聞きたいように聞く」傾向にあるものだ。

尊敬する人や大好きな人の発する言葉に、異を唱えることは少ない。「きっと素晴らしいことを言っているに違いない」という前提で聞いているからだ。

逆に、嫌いな人の発する言葉には、初めからそこに矛盾を見つけようとして聞いている。

ディベートの練習で、一つの事案に対して初めから賛成派、反対派に分けて討論させる。そして次に、賛成派は反対派へ、反対派は賛成派になってもう一度議論させる というものがあるが、どんな事例であっても、最初から賛成で行こうと思えば何ぼでも擁護するための理屈は付けられるし、反対するにしても同様だ。

一昔前と違い、テレビや新聞報道だけでなく、ネットであらゆる情報が飛び交う世の中、既存のマスメディアの情報操作に振り回されにくくなったという利点はあるが、同時に眉唾なネット情報に振り回される危険性も指摘しておかなければならない。

FBやツイッターでも、何度デマ情報が善意の名の下に拡散されたことか。

こういう時代だからこそ、「人は、見たいように見、聞きたいように聞く傾向にある」という自覚を持ち、「誰が言った」ではなく「何を言っているのか」を見極める目を持ちたいものだ。

最終的に、その情報をどう解釈するかは、自己責任なのだから。





  


Posted by 知念哲郎 at 2013年05月16日 16:26
Comments(0)生き方

MS(経営者満足)って知ってますか?

日頃は経営者の視点に立ち、経営者や経営幹部の方々に対し、色々とアドバイスをさせて頂いておりますが、今日は社員、従業員の立場に立った中でお話をしようと思います。

企業経営に当たり、CS(Customer Satisfaction=顧客満足)やES(Employee Satisfaction=従業員満足)の向上を目指していくということは、よく聞くかと思いますが、MS(manager Satisfaction=経営者満足)という言葉を聞いたことはありますか?

多分ないでしょう。私が勝手に考えた言葉ですから(笑)

例えば、私の仕事は中小企業向けのコンサルです。従って、私にとってCS(顧客満足)とは、顧客は経営者ですから、すなわちMS(経営者満足)とイコールとなるわけです。

経営者を満足させることが出来なければ、契約解除、すなわち「クビ」です。
では、経営者を満足させるにはどうすればいいのか? 答えはシンプルです。私に支払う報酬以上の働き、そして成果を出すことです。それが出来なければ、経営者からすれば「報酬が高い」「辞めてもらった方がその分利益が出る」と、こうなるわけです。
だからこそ、私自身も常に緊張感を持ってMS(経営者満足)の向上に努めるわけです。

「〇〇は何も考えないで仕事をしている。給料を払うのがバカらしくなる!」
これは、最近顧問先の役員会議で発したある社長の言葉です。激しいですが、経営者の本音でもあります。

私が企業と「顧問契約」を交わすように、社員、従業員も企業と「雇用契約」を交わします。そして、契約を交わす以上は、経営者から期待されることがあるということです。

その期待に応えること、それがすなわち、社員側から見たMS(manager Satisfaction=経営者満足)となるわけです。
同じお金を払うなら、より満足のいくお店で食事をしたいように、同じ給料を支払うなら、より満足のいく社員を雇いたいということです。

この緊張感を持ち、絶えずMSの向上に努める社員は当然評価され、待遇の向上が期待されます。
顧客が要求が多いように、経営者が社員に対して要求が多いのは、ある意味当然のことです。お金を払っているお客さんと同じですから。

これは何も、経営者に媚びなさいということではありません。経営者が期待する働きをしているかを、常に意識して働くということです。

優れた経営幹部は、例外なくMSが高い人と言いきれます。

景気が上向きになりつつあるとはいえ、まだまだ企業も生き残りに向け必死です。

だからこそ、評価される社員を目指すことが、自分を守ることにもなるのです。



  


Posted by 知念哲郎 at 2013年04月04日 09:52
Comments(2)経営

スクールビジネスの集客方法

ある習い事の教室を経営されている方からのご相談を受けました。「生徒数をもっと増やしていけなければ厳しい」という内容です。

では、スクールビジネスの場合、効果的な集客方法は何でしょうか。

〇いくつかのポイントはありますが、集客方法の前に考えなくてはならないのが、「コンセプト」です。

 数ある教室の中で選んでもらえるためには、このコンセプト作りからスタートしなければなりません。「コンセプト」=差別化です。

 例えば、「どういう方を対象としているのか?」
 幼児ですか? 学生ですか? 社会人ですか? 全くの初心者ですか? プロを目指すような方々ですか? 女性ですか? 男性ですか?
 とにかく、具体的に中心となる顧客層をイメージすることです。

 そして次に、「数ある教室の中で、あなたの教室の特徴、魅力は何ですか?」ということを考えてみてください。
 指導方針にポリシーはありますか? それはスタッフである他の先生方にも浸透していますか?

 そういったものをまとめた考え方が、「コンセプト」です。


〇次に、そのコンセプトをどのように伝えていますか?

 HPからそれが伝わりますか? チラシからそれが伝わる内容になっていますか? ブログ等で定期的に日々の活動内容や想い、生徒さん (場合によってはその親御さん)の声を伝えていますか?


〇それら基本があって初めて、次に「どのように存在を、そしてこの想いを伝えていくか?」ということになります。

 どんなに素晴らしいサービスや商品であっても、まずはその存在を知ってもらわなければないのと同じです。しかし、存在を知ってもらって も、そこに魅力や共感を感じてもらえなければ、選ばれません。

 HPをどのように上位に表示させるか? 効果的なチラシの配布方法。 口コミをどのように広げていくか? 定期的な発表会で一般の方々にも知ってもらう等です。


〇興味を持ってもらった方に対する最後の詰めも大事です。「お金を支払って後悔しないか?」という不安をどう取り除くか?ということです。

 教室体験、無料お試し期間等を設ける等、「損はしない」という安心感をいかに与えるかどうかも重要ですね。


その他、これから起業するにあたっては、立地、家賃等も考えなくてはなりませんし、個人事業と言えど事業計画をしっかりと立てなければ、売上目標(生徒数、月謝)と現実の結果を照らし合わせての対策も打てなくなります。

1月もそうですが、3月4月は心機一転何かにチャレンジしようという時期ですので、特にこの時期の集客はスクールビジネスにとって重要です。

  


Posted by 知念哲郎 at 2013年03月11日 10:53
Comments(2)経営

パラダイムシフト マネジメント

パラダイムシフトとは、「その時代や分野において、当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが、革命的にもしくは劇的に変化すること」を意味します。

というと、少々大袈裟な気もしますが、わずか45年弱しか生きていない僕でも、時代の持つ価値観が大きく変化しているのは感じられます。

例えば、喫煙。

ほんの20数年前くらいまでは、職場でも家の中でもところ構わず喫煙し放題でした。今の若い方に「昔は飛行機の中でも喫煙席があった」などというと驚かれます。そりゃそうですね。飛行機の中どころか、今や空港の中でも一部の隔離された禁煙室以外では吸えません。

歩きタバコももちろんNG。タクシーも禁煙、そして最近では居酒屋でさえも、喫煙者は気を使います。

また、ネットの普及、ネット環境の著しい向上により、人々の生活スタイルそのものも大きく変化しています。

昔はとにかくテレビに夢中でした。「ザ ベストテン」などの歌番組が流行り、多くのミリオンセラーの曲が次から次へと世に出され、音楽業界、テレビ業界が謳歌した時代でした。

とにかく、テレビと音楽が多くの国民にとって、娯楽の中心でした。

しかし今はどうでしょう? 視聴率を稼げなくなり、放送各局は悲鳴を上げています。予算が取れないから安易な番組しか作れず、それが更に視聴率の低迷に繋がっています。

他にも色々ありますが、要はわずか20年の間でも、このようなパラダイムシフトは起こっているということです。

一説によると「最近の若者はなってない・・・」などという年寄りのボヤキは、実は紀元前3000年(5000年前)の古代エジプトの石板からも発見されているようですが、わずか20年で常識や価値観が変化していくなら、世代間の価値観のズレが生じてもしょうがないことなのかもしれませんね。 

さて、進化論で有名なダーウィンは「種の起源」の中で、「強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわけでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ」と述べている(実際は言っていないとも言われてますが)ようです。

これをビジネス的に捉えた場合、「パラダイムシフトに敏感に反応し対応しているか」という問いかけになります。

もちろん、何千年も前から変わることなく受け継がれていく普遍の価値観もあります。しかしそれとて、国によってはその歴史、文化の違いから世界共通の価値観など、見出すことは困難です。

特に、娯楽や嗜好に関する物の価値観は移ろいがちです。科学の進歩や経済状況等によって簡単にコロコロ変化していきます。

ですから、ビジネスにおいては特に、このパラダイムシフトに敏感になり、時代の変化に対応する姿勢が常に求められます。

顧客に対して然り、従業員に対して然りです。

モノ不足の時代は、供給してくれる側に対し顧客は感謝し、売る側は「売ってやる」という姿勢でも成り立ちました。
しかし今は時代が違います。顧客が求めるものは、商品そのものの価値にプラスし、より快適なサービスを普通に求めます。

年功序列、終身雇用制の時代には、従業員に対してサービス残業等を求めるのも当たり前でした。
しかし、いつ首になるかも分からない、賃金もなかなか上がらない現在のサラリーマンは、会社に対してのロイヤリティを失っています。「頑張った分だけ報われる」と思えないからこそ、残業代の未払い訴訟等が起きているのです。

「昔はよかった」などと嘆いてみても、現状は何も変わりません。20年前の成功体験など、何の役にも立ちません。

「時代がどう変化していったのか」「この先更にどう変化していくだろうか」ということを考え、先手を打つこと、それがパラダイムシフト マネジメントです。  


Posted by 知念哲郎 at 2013年02月25日 11:19
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「日々、生まれ変わる」という思考

誰しもが、自分自身の性格や生き方に、100%満足しているわけではありません。
むしろほとんどの人は、自分の性格やこれまでの人生に不満を抱き、苦しんでいるのではないでしょうか。

「私は何て飽きっぽい性格なんだ」「彼はあんなに見事に成功しているのに、何故俺は未だ成功できないのか?」「あんな社交的な人になりたい」「何で私は毎日返済に追われ、苦しい生活を強いられているのか」等々・・・。

そして苦しみ、悲観し、中には自殺してしまう人もいます。

そんな苦しみの中にある方を救うのが、「日々、生まれ変わる」という考え方です。

「過去」は、記憶にしか過ぎません。また「未来」も、想像でしかありません。あるのは、「今」という瞬間の連続だけです。

あなたという人物の持つ過去も、単なる記憶に過ぎず、その過去という結果から導き出された未来も、また単なる想像でしかありません。

誰もが朝目覚めると同時に、昨日までの自分という過去のデータが蘇り、自分がどういう人間であるかを無意識のうちに再認識しています。昨日まであった悲しい記憶も蘇るでしょう。楽しいことがあったならば、幸せな自分としてスタートするでしょう。

しかし本当は、それらは過去の記憶にしか過ぎません。周りから尊敬されている自分、奥さんから嫌われている自分、色んな自分がいるでしょう。しかしそれらは、「自分とは何者なのか?」という問いに答え、人格の連続性を保つためにある、単なる記憶でしかありません。

特に性格、人格などというものは絶対的なものではなく、常に流動的です。温和な人がいつも温和なわけではなく、意地悪と思われている人が、常に意地悪なわけではありません。だからあなたの人格も、あなたや周りの決めつけでしかありません。せいぜい「そういう傾向にある」といったものでしかありません。


さて、これからは毎朝目覚めた時、「生まれ変わった」と感じてください。「あなた」という身体に、新たな「あなた」というニュートラルな人格が乗り移ったと考えた方が分かりやすいでしょうか。

自堕落な生活を送っている人を見た時、どう思いますか?「私ならあんな生活は送らない。もっと前向きに努力して、立て直しを図るのに!」と思いませんか?

それと同じです。朝目覚めると、色んな課題を抱えた「自分」という人の身体に入っていた。

「この人、色んな課題があるようだが、さて、どうしていこうか?」と、ある意味客観的な視点で捉えてみてください。

様々な課題、難題を抱える「自分」という企業の経営を任されたようなものです。僕ならワクワクしますね。

人は、配られたカードでしか勝負できませんが、配られたカードに悲観して自暴自棄になるのか、その中でも諦めずに、より最適解を求めながら勝負をするのかは、その人の心が決めることです。

毎朝目が覚めた時、「そうか、今日はこういう人に乗り移ったか。さて、どうしたもんか・・・」と考えるのも、楽しいのではないでしょうか。

  


Posted by 知念哲郎 at 2013年02月18日 11:00
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助成金、補助金の注意点

「返さなくてもいいお金」という魅力を持つ助成金、補助金制度は、経営者にとって魅力的であり、一度は検討された方も多いのではないかと思います。

しかしここで、あえてその場合の注意点を指摘しておきたいと思います。


1.助成金、補助金目的の事業は本末転倒
 助成金、補助金を貰いたいがための事業計画になってはいませんか? その為の過度な設備投資をしていませんか? 助成金、補助金というのは申請し事業を実際開始してから半年、1年以上もかかるのが一般的です。また、当初期待していた金額が下りない場合もあります。下手をしたら全く下りない場合だってあるわけですから、助成金、補助金を期待しその承認に必要な条件を揃えることばかりに頭が行ってしましますと、そもそも経営として成り立たないということも出てきます。
 助成金、補助金というのは、あくまで「出たらラッキー」くらいに思い、資金繰り敵に当てにしない経営を考えなければ、本末転倒となってしまいます。


2.助成金、補助金目的の人材採用となっていませんか?

 一番取り組みやすい助成金は、厚生労働省等が管轄となる雇用が絡む助成金制度です。高齢者、若年者、母子家庭の女性等々、要は国や県が雇用を促進させることを目的とした助成金です。
 自社に合った優秀な人材を確保できるかどうかは、経営にとって大変重要な課題です。たまたまその助成金と合致するような人材で、是非採用したいということであればOKですが、助成金狙いで妥協した採用をした場合、その苦労は経営者が背負うこととなります。
 また、「雇用者〇名以上」という条件があった場合、ここでもその条件をクリアしたいがための過度な採用をしても、長い目で見たら人件費負担が大きくなるだけということにも繋がります。


3.自社の事業計画に沿って検討すること

 結論として、助成金、補助金は、「新規事業を考え始めた時」「人の採用を考えた時」に検討してみる価値は十分あると思います。但し、あくまでも自社の事業計画に沿って考えるべきであり、助成金や補助金を得るためにあまり無理に修正してしまうのは、経営そのものを軌道に乗せる目的から大きくそれてしまいかねません。
 そういう本末転倒とならないよう心掛ける中で、専門家に相談しながら検討されることをお勧めいたします。

 
ちなみに、雇用に絡む助成金でしたら、社労士の先生にまずご相談されるのが良いと思いますし、事業計画の作成等が必要な場合は、私どもでも対応できますので、お気軽にご相談ください。

  


Posted by 知念哲郎 at 2013年02月05日 10:06
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「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の本質

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

ドイツの初代宰相ビスマルクの有名な言葉ですが、この言葉の本質は、『自分の手痛い失敗(=経験)より、他人の失敗(=歴史)に学べ』ということであって、歴史教育の大切さを述べているわけではありません。

少なくともビジネスの世界においては、10年前の成功事例がそのまま現在も当てはまるほど、甘くはありません。

時代が違えば、同じ国においても顧客の価値観、ニーズは様変わりします。

また、特に他人の成功体験はあまり当てには出来ません。環境も、素養も、条件も、全て十人十色だからです。

ただ、失敗事例に関しては、学ぶべき点が多くあります。

ニュース等、耳に入ってくる他人の失敗事例を、ただ単に「バカだなぁ」と評論家気取りで受取るか、それとも他山の石として活かすかの違いです。

「愚者は、自分で失敗して初めて失敗の原因に気付き、その後同じ失敗を繰り返さないようになるが、賢者は、過去の他人の失敗から学び、同じ失敗をしないようにする」という意味となります。

よく、弟が、自分の兄貴が叱られておるのを見て、叱られないようにするということと似ているかもしれませんね(笑)

兄貴が叱られているのを見ていながら、他人事として捉え、同じ過ちをしてこっぴどく叱られて初めて後悔する弟が愚者。
叱られているのを見て、同じ過ちをしないでおこうと思う弟が、賢者です。







  


Posted by 知念哲郎 at 2013年01月25日 14:09
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アフターフォロー

「アフターフォロー」という言葉はビジネスにおいては当たり前のように使われていますが、その意味は「商品やサービスなどを購入した顧客に対して、問い合わせや相談などを受け付けたりする企業のサービスや活動のこと」とありますが、要は「売りっぱなしにしない」ということです。

では、「売りっぱなしにしない」ということは、具体的に何をすればよいのでしょうか?

それは、商品やサービスによって当然異なりますが、一言でまとめるならば、「効果を確認し、効果が持続できるようにアドバイスすること」あるいは「買って頂いた商品やサービスに対して不満がないかどうかを確認し、対応すること」ではないでしょうか。

かなり以前の話ですが、子供に熱が出たため小児科の病院を訪ねて行きました。一通り診察をしてもらい、薬も頂いて帰ったのですが、その日の夕方、その病院から電話がありました。

何事かと思っていると、「その後、お子様の具合はどうですか?」ということの確認の電話だったのです。
わざわざ一患者のためにそこまでするのか!と感動したのを覚えていますし、当然、その病院のファンになりました。
これも、「効果を確認し、効果が持続できるようにアドバイスすること」を見事に実践している例ですね。

(病院等でこれやっているところはほとんどないでしょうから、是非、お勧めです。)

逆に、車を買ったはいいが「後から〇〇を送ります」と言ったきり送ってこない。電話をしても折り返しもない。

これでは「売ってしまえば関係ないということか?」と、その姿勢を疑ってしまいますね。もし逆に、先方から「お車の調子はいかがですか?」という電話一本でもあれば、きっとそのお店を相当信頼します。

要は、「一顧客の自分に対して、そこまで気を使ってくれているんだ」という感動が、その企業の、あるいは営業マンのファンにさせるのです。

もちろん、商品やサービスによっては、いちいちそこまで出来ないというのも当然あるでしょう。その場合にも、アンケートを取ったり、相談窓口を設置するなど、顧客の満足度を知る努力は必要です。

少子高齢化の中でマーケットは縮小傾向にあります。

新規開拓も重要ですが、せっかくの既存顧客により強固なファンになって頂くため、貴社のアフターフォロー態勢を見直してみてはいかがですか?

「儲ける」という字は「信者」と書きます。信者(ファン)を増やしてこその、企業発展です!  


Posted by 知念哲郎 at 2013年01月22日 11:54
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金融円滑化法 期限切れ迫る

いよいよ今年3月で期限切れとなる中小企業円滑化法ですが、麻生太郎副総理兼財務・金融・デフレ脱却円高対策担当相は就任会見で、再々延長はないと述べています。

もし今現在、資金繰りに逼迫している状況の企業があるのであれば、今すぐにでも取引金融機関に元金据置払いの申請を行って下さい。3月までとあるのは、申込みが3月いっぱいということではありません。

厳密に言うのなら、3月末までに申請を承認してもらわなければならないということです。

申請すれば自動的に承認されるものではありません。あくまでも元金据置期間を設け、その間に経営が改善されるという根拠を示した経営改善計画書が必要となります。

その経営改善計画書も、単に作成すれば良いということではなく、金融機関が納得できる内容となるまで詳細に渡ってやり取りを繰り返すことになりますので、場合によっては2ヵ月以上かかってしまいます。

期限切れ後には一切リスケジュールを承認されないわけではありませんが、ハードルはかなり高くなることは確かです。

ですから、現在資金繰りに苦しく、元金支払いまで余裕がない状況であるなら、とにかく直ちに金融機関に元金据え置きを申請することです。

自社で経営改善計画が立てられないなら、専門家に相談して下さい。

時間はありません。







  


Posted by 知念哲郎 at 2013年01月16日 10:28
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「虫の目」「鳥の目」「魚の目」&「コウモリの目」

新年、明けましておめでとうございます。

サボりがちなブログですが、「いつも楽しみにしている」という、コアなファンの方々の為にも、今年はもう少し気合を入れて継続していこうと決意する次第です(笑)

さて、今年は巳年ですね。

「巳」という字は、胎児の形を表した象形文字で、蛇が冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表しているとも言われ、「起こる、始まる、定まる」などの意味があるようです。

また、蛇は脱皮をすることから「復活と再生」を連想させ、その特徴は探究心と情熱です。


政権も替わり、アベノミクスに対する期待感から、円安株高と好スタートを切った2013年ですが、まさしく巳年にふさわしい「復活と再生」を期待したいところです。

しかし、政権が代わったからと言って、自社の経営がすぐによくなるというわけではありません。

年の初めに、「虫の目」「鳥の目」「魚の目」「コウモリの目」を持って、自社の経営の方向性を今一度確認することをお勧めします。

「虫の目」とは、細かく見る目(現場の視点)、「鳥の目」とは、俯瞰的に見る目(マネジメントの視点)、そして「魚の目」とは、時流を読む目(経営者の視点)のことです。

ここまではご存知の方も多いと思いますが、この厳しい時代を生き抜くためには、第4の目「コウモリの目」も必要となります。

「コウモリの目」とは、コウモリが逆さにつり下がっていることから、物事を反対から見たり、普通の見方に捉われず想像を膨らませたり、固定観念を崩して見る目のことを意味します。

誰も読まないような報告書を書かせていませんか?

「その仕事は何故するのですか?」という問いに、「昔からやっていることだから」としか答えられないようなら、一度疑ってみることです。

そういう視点から、仕事の無理無駄が省けます。

業界の習わしに縛られていませんか?

「なぜ、そういう仕組み何ですか?」という問いに、「業界の常識だから」としか答えられないようなら、そこを崩すことが出来ないかどうかを一度考えてみることです。

そういう視点が、新たなサービスを生み出していきます。


2013年、国が再生、復活する前に、自社の再生、復活を目指していきましょう!
  


Posted by 知念哲郎 at 2013年01月07日 09:24
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決算書の実態修正

ある日のクライアントとの会話。

「前期でようやく黒字になりました。銀行からの融資は可能ですよね?」

このような相談を受け、取りあえず決算書5期分を見させて頂きました。

確かにP/L上、黒字となっていますし、B/S上も債務超過にはなっていません。

しかし、B/Sの流動資産を見てみると、短期貸付金が数千万円あり、その額はほとんど減っていません。また、売掛金の内訳を追っていくと、長期に亘って残っている売掛金があります。

よくよく聞いてみると、貸付金は知人の会社に頼まれて貸したが、返してもらっていないしこの先も回収できるかどうかわからないとのこと。売掛も同様、先方の経営が厳しく、回収できていないとのことでした。

資産とは、利益に繋がる現金化されるもの以外に価値はありません。むしろ、本来ならば貸倒償却するか少なくとも貸倒引当金を積まなければなりません。

このように決算書を実態修正すると、あっという間に大赤字に転落し、B/Sも債務超過となりました。

「社長、税理士さんは合法的に税務署に対して通る申告を行うことを目的として決算書を作成します。逆を言えば、税務署は納税する企業の費用や損をなるべく認めないスタンスにあります。しかし銀行は、融資を返済してもらえる可能性を探るために決算書を分析しますので、融資先企業の費用や損をできるだけ計上して決算をみるスタンスにあります。」

「だから、表面上黒字決算だからOKという単純なものではないんですよ。特に売上は発生主義ですから、未入金であっても売上計上されます。ここが一番実態と合わなくなってしまう点です。だから、資金繰りも苦しくなっているんです。」

「結論、このままでは決して銀行からは良く見られません。まず真っ先に取り組まなければならないことは、売掛金と貸付金の回収ですよ。」


化粧を落として素顔を見る。 まずはそこからしか、問題点は見えてきません。  


Posted by 知念哲郎 at 2012年10月30日 10:25
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オスプレイ配備賛成

結論から述べると、オスプレイの配備には「条件付き」で賛成です。

賛成の理由は、中国の脅威に対する我が国の防衛上の観点から不可欠だと考えるからです。

そもそも、何故米国は沖縄の米軍基地にオスプレイを配備しようとしているのか?
それは従来のCH46輸送ヘリに比べて、飛行距離が格段に広がります。CH46ヘリでは沖縄本島から尖閣諸島までを飛ぶことができませんが、オスプレイは軽々と行動範囲内に尖閣諸島が入っています。ということは、尖閣諸島の魚釣島に基地が無くても、有事の場合は将兵を魚釣島に防衛のために展開することができるのです。

そしてこれをされると嫌がるのが、中国です。だからこその抑止力になり得るのです。

ただ、あえて「条件付き」でとしているかというと、そこはやはり県民の安全面です。

しかしこれはオスプレイの問題ではなく、普天間基地の危険性という意味ですので、やはり基地を一刻も早く辺野古に移設することを望みます。

マスコミはこぞってオスプレイの危険性を叫びますが、本当にそうでしょうか?米国は、自国のお金をかけて訓練した精鋭の兵士を、いつ落ちるかわからない危険な輸送機に乗せ運用することを決定したのでしょうか?

危険、危険というからには、何と比べてどのくらい危険なのかを、客観的に知らなくてはなりません。

例えば、2004年に沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落する事故がありました。この時に落ちたのが普天間基地にいたCH-53Dシースタリオンですが、その事故率は4.51に対し、オスプレイの事故率は1.93、海兵隊機全体の平均事故率2.45よりも低い数値になっていることを知っている人はどのくらいいるのでしょうか?

オスプレイが墜落事故を起こしていることは事実ですが、そもそも100%安全な乗り物などありません。それよりも、老朽化したCH46ヘリを使用し続けることの危険性の方が上かもしれません。

ただ、万が一にも墜落した時のことを考えて、より安全な場所へ基地を移すこと、それはオスプレイに限らず速やかに進めるべきだと思います。


沖縄のマスコミ、とりわけ新聞は、あまりにも左に偏った報道ばかりが目立ちます。

先だって行われたオスプレイ配備に対する反対集会に関しても、10万1000人と報道されていますが、警察発表によれば2万5千人だったとか。恐らく航空写真から参加者の人数を数えた警察発表がより正しい数字でしょう。

これは誤差の範囲ではありません。ウソの報道をして恥ずかしくないのでしょうか?主催者側の発表を鵜呑みにしてたとしても、後日でもいいから一体どちらの発表が本当だったのかを、公正な報道機関の立場として検証し報告すべきでしょう。

まるで県民の総意であるかのような配備反対一色の報道は、正直気持ちが悪いです。


僕を含めた沖縄県民は、沖縄県民であると共に日本国民です。

「基地はいらん。国防のことは知らん。それは政府が考えてくれ」でいいのでしょうか? 仮に中国が本気で沖縄を自国の領土としようと攻めてきたとき、防衛力がなかったら、米国や政府が沖縄を見捨てたら、それでいいのですか?

少なくとも僕は、中国人になどなりたくありません。沖縄県民である前に、日本国民ですから。

  


Posted by 知念哲郎 at 2012年09月28日 22:03
雑感

自信

「経営に自信がなくなった」「不安でしょうがない」こういったご相談もよくあります。

それはそうでしょう。 業績不振、連続赤字、資金繰りがひっ迫、等々、このような状況で自信を無くし、不安になるのも当たり前です。

でもここで、大きく深呼吸して考えてみましょう。

「自信」とは何でしょうか?

「自信」とは「自分自身を信じること、信じている状態」であり、自分自身を信じられないからこそ、「不安」すなわち安らぎがない状態になってしまうわけです。

では、自分自身を信じられるようにするためにはどうすればよいのでしょうか?

信じるためには「信じるに足る根拠」が必要です。逆に言えば、信じるに足る根拠がないから自信が持てず不安になるのです。

では、「信じるに足る根拠」はどうすれば出来るでしょうか?

よく、「引き寄せの法則」の話をする人がいますが、要は「信じれば実現する」ということですよね? 

しかし例えば、いたって普通の人が「俺は1年後にオリンピックに出て、100m走で金メダルを獲る!」という目標を立てられるでしょうか? 周りはもちろん、まともな人なら本人自身、そんなことは100%不可能だと思うでしょう。

実現してもおかしくない状況、あるいはその方法、道筋が見えて初めて、それが根拠となります。それらがない状況での自信は自信ではなく奇跡頼みの盲信です。

つまり、自信を持つためには、「実現してもおかしくない状況、あるいはその方法、道筋を見つけ出すこと」となります。

悶々と不安を感じているだけでは何も解決しません。むしろ、マイナス方向の想像力がこれでもかってほど発揮され、ますます不安を拡大させていくだけです。

今の経営状態に不安をお持ちなら、「実現してもおかしくない状況、あるいはその方法、道筋を見つけ出す」ことです。

事業計画を見直し、原因を探り対策を練ること、そして実行していくことです。独りで考えるには限界もありますし、どこか偏っていたり、あるいは的外れな計画にもなりがちですので、信頼できる誰かに相談することも大事なことです。

事業計画、それは金融機関からお金を引き出すためのものではありません。

自分を信じるに足る根拠を作るものです。  


Posted by 知念哲郎 at 2012年09月18日 11:02
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営業の本質

経営者の頭の中は、とにかく「売る」こと「どうしたら売れるか?」ということでいっぱいです。

営業マンにノルマを押し付け、「とにかく売ってこい!」なんて尻を叩きまくる会社も未だにたくさんあります。

でも、ここで一つ考えて頂きたいのが、「そんな営業方法でいいのですか?」ということです。

私の会社の電話にも、よく営業電話がかかってきます。「こういういいお話があるので、一度是非お話だけでも聞いて頂きたい」「一度ご挨拶に伺いたい」などなど・・・。

恐らく看板を出していらっしゃるようなオフィスでしたら、飛び込みの営業も多いことでしょう。

しかし、逆の立場で想像して頂きたいのですが、そういう電話やアポなしの訪問って嬉しいですか?

「優しくすれば強引に何かを売り込まれるのではないか」という不安感。

「そもそも相手が何者か、どういう会社なのかさえ知らない」不信感。

そういった心理が強い警戒心を生み出します。

どんなに素晴らしい商品やサービスでも、知ってもらわないことには売れません。しかし、「知ってもらう」ということと、「売り込む」ことは違います。

「売り込まれている」と感じていい気がする人はあまりいません。ですから、営業とは「知ってもらう」ことであり、「売り込む」ことではないと肝に銘じておかないと、人は固く心を閉ざしてしまい聞くことすら拒否してしまいます。


経営者であればよく様々な異業種交流会に参加される方も多いと思いますが、ここでも同様です。

いきなり初対面の人間に商品を売り込まれても引いてしまいますし、「この人は自分のことを客としてみてるんだなぁ」という少し悲しい気持ちにさえなってしまいます。

まずは何をしている会社なのかを知ってもらえればいいんです。

そこで何より大事なのは、信用されること、信頼されることです。信用、信頼が生まれれば、後は相手にその必要性が生じた際に黙っていても向こうから声がかかってきます。

最後に、素晴らしい記事がありましたので、少し長いですが転載しておきます。

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わらしべ長者とfacebook.

作成: 売れるチカラ!OKINAWA 日時: 2011年11月7日 15:53 ·

“フェイスブックで上手にビジネスをするコツは、ビジネスをしないこと”っ て、よくいわれます。そりゃフェイスブック上で自社の宣伝ばっかりしていたら、ソッポ向かれるのは当然ですよね。だって、「お呼びじゃない」から。人が楽 しく“友達”同士の会話を楽しんでいるとこで、「ところで、うちの商品の特徴はさ!」とか、「ね、うちの店に来てよ!」とかのべつまくなしに叫びまくられ ていたら、うるさいし、ジャマ!「キョーミないしぃ…」です。ところが一方で、フェイスブックに登録した目的の4割がビジネスユースだというレポートもあ るわけです。

http://www.advertimes.com/20110413/article11186

※アドヴァタイムス(宣伝会議)本年4月掲載

というわけで、「ビジネスはしたいし、しちゃ逆効果だといわれるし、じゃどうするの」というのが、今回のテーマ。前半は、おなじみのわらしべ長者のお話から“無償のギフト”が生むパワーの本質を探り、続けて後半は現代のわらしべ長者の実例から、共感が巻き起こす“エンロール(自発的巻き込まれ)”の重要性を確認、フェイスブック活用の最重要ポイントを探ります。

さて、今回は、かなり長くなりますので、お茶とお茶うけを用意してご覧ください。

【物語の始まりは、「貧乏はいやだ!」だった。】

一人の貧乏な青年が「ビンボーから脱却したい」と観音様に願ったところ、夢でお告げが。その内容は、「はじめに触ったものを、大事に持って旅に出なさい」。

ところが男は、観音堂から出た途端、けつまづいて、手にしたものが一本のわらしべ。で、男は夢のお告げを守って、わらしべを手にてくてくと旅に出る。

大きなアブが顔の周りを飛び回ってうるさいので、とっ捕まえて、わらしべに結びつけ、また歩き出した。すると道端で大泣きする男の子。わらしべのアブを見つけて、欲しがった。男は、わらしべのアブを男の子にあげた。よろこんだ母親が、お礼にとミカンを男にあげる。

しばらくいくと、娘さんが道端で苦しんでいて、水を欲しがっていたので、男は、もっていたミカンを娘にあげた。お返しに、娘は絹の布をあげた。

とつづき、以下、絹の布⇒死んだ馬⇒(途中略)⇒屋敷 となるわけです。

【わらしべ長者は、物々交換の話じゃないのだ】

この、わらしべ長者の話、物々交換で一本のわらが遂には屋敷になった話として受け取られていますが、実は、この話の中で物々交換は一度も行われていない。

男の行為は、常に無償のギフト、困った人に自分の持ち物を惜しげもなく提供している。で、物々交換に見えたものは、実はその返礼なんです。一本のわらしべが遂には屋敷になった秘密が実は、この「無償のギフトとその返礼」のなかに隠されているんですね。

これが物々交換であったら、交換される者同士の価値は原則として等価です。だって物々交換とはいえ、それは商取引なのですから。ところが、ここで行われているのは実は取引ではなく「贈与の交換」なんです。贈り物をいただいたら、もっといいものをお礼返ししたくなるというのは、どうも人間の本質のよう。

一本の赤いクリップから、交換を繰り返してついには家を手に入れた、カナダのカイル・マクドナルドさんの話。テレビでも紹介されているし、本も出ているので知っている方も多いはず。

カイルさんは、Bigger and Betterというゲームを思いついて、物々交換のサイトに一本の赤いクリップを出品し、交換を繰り返すことで1年後には一戸建てを手に入れたい、と宣言 しました。で、その結果、赤いクリップ⇒魚のデザインのペン⇒スマイリーマークが付いた陶器のドアノブときて、最後に、2階建ての家を手に入れた、という 実話です。

http://oneredpaperclip.blogspot.com/
http://oneredpaperclip.cocolog-nifty.com/blog/ (日本語サイト)


【交流の中から、価値が生まれる】

この一連の交換の中で、カイルさんがやった重要なことが2つあります。

ひとつは、交換のプロセスをちくいちブログで紹介していったこと。そしてもう一つは、交換するために、直接、相手を訪ねて行った、こと。

バンクーバーからマサチューセッツ、カリフォルニア、そしてニューヨーク、ロッキー山脈、トロントと、えんえん北米大陸を旅する中で、物々交換を通して丁寧に人に会い、その情景をブログで紹介していったんですね。そこに物々交換を通して価値が増大していった秘密があります。

さきほど、物々交換は商取引なので、原則として交換される者同士の価値は等価だ、とお話ししました。じゃあ、なぜ、一本の“ほとんど無価値”の赤いペーパークリップが、一戸建てに化けるなんて奇跡が起こったんでしょうか。

それは、カイルさんが提供したのはペーパークリップそのものの価値ではない、から。

カイルさんが提供したのは、「物々交換で、赤いペーパークリップからはじめて、一戸建てを手に入れられるか」というゲームなんです。で、そのゲームの重要 な要素が、交換に際しては、実際に自分が訪問するというルール。そのためにカイルさんは、広大なアメリカ大陸を自分の足で横断、縦断している。

では、そのルールによって何が生まれたのでしょうか。

それは、人と人との出会いというストーリー。で、その出会いの様子をブログで紹介していくことで、人々の共感を呼び、その共感(のレスポンス)がストーリーに厚みとリアリティを与えていった。それが、人々を巻き込む(エンロール)パワーとなったわけです。

つまり、赤いクリップから始まる物々交換で、カイルさんが提供していったのは、「モノ+出会いのストーリーへの参加(エンロール)」なんです。だから、交換するたびにエンロールの分だけ、交換価値が上がっていった。しかも、ストーリーの厚みが増すことで、価値自体も上がっていった。

【では、フェイスブックでビジネスする秘訣とは】

【ステップ 1 信用される】

まず大切なのが、自分がだれかを明らかにすること。伊達直人じゃだめなんです。

なぜか。

われわれがフェイスブックを利用するのは、顧客(あるいは潜在客⇒できうるなら見込み客)と継続的・安定的な関係を築きたいから。そのためには、相 手に信頼される必要があるし、そもそも信頼されるためには、まず信用される必要がある。だから、匿名だとアウト、となるんですね。ということで、フェイス ブックのプロフィールは丁寧につくりましょ(写真は必須)。

【ステップ 2 信頼される】

で信用されたら、次に信頼。信頼を得るためには、あなたがどんな人で、どんなことを考え、なにに価値を見出しているかを知ってもらう。

とはいっても、自分のことを知ってもらおうと、一方的に「俺ってさー」って話しかけても、たいていは相手にされません。「ウザっ」で、バッサリ。

ではどうすれば自分の話を聞いてもらえるかというと、答えは簡単、「相手の話を聞く」。相手の話を聞くことで、コミュニケーションが生まれ、コミュニケーションの中で、自分のことに興味を持ってもらい、そこで初めて、自分の話を聞いてもらえる下地ができる。日常の人間関係とおんなじですね。

【ステップ 3 無償のギフト】

丁寧なコミュニケーションを通して自分に興味を持ってもらい、興味を持ってもらうことで、仕事の話を聞いてもらう下地ができる。

しかし仕事の話といっても、やはり宣伝はアウト。

宣伝ではなく無償のギフト、価値あるギフトとして“専門的なアドヴァイス”、を誠意を持って提供する。

わらしべ長者がタダのものから価値を生み出した源泉は、“誠意と奉仕”。それが無償のギフトになって現れ、相手に信頼・感謝され返礼となって帰ってきた。

価値のあるものを見返りを求めず(溜息)提供する、じつはそれこそが、フェイスブックをはじめとするネットメディアでビジネスする最初の一歩。ここを勘違いすると、冒頭に申し上げたような“相手の耳元で宣伝文句を喚き散らす”ということになってしまう。

【ステップ 4 エンロールを生む】

信用され、信頼され、興味を持ってもらい、知ってもらう。そしてギフトを通して評価され、でも、それだけではお客様にはなってもらえない。

お客様になってもらう、しかもファン客になってもらうためには、自発的に巻き込(エンロール)まれてもらわなければならない。そのための最も基本的な手段が“いいね”であり、自社ホームページのシェア。

ところが、ただ“いいね”してもらってもあんま意味がない。

じゃあどんな“いいね”やシェアがいいかというと、それはコメント付。自分がその記事やホームページにどんな興味を持ったか、という“かかわり”が重要なんです。

なぜかというと、コメント付のいいね、シェアっていうのは、やっぱ「紹介する以上は」っていう責任感が生じるんですね。その気持ちが、さらに積極的なかかわりを生む。しかーし、その気持ちは、ほっとくとわりにすぐに薄れてしまう。

【ステップ 5 着地させる】

じゃあ、薄れさせないためにはどうするか、っていうと、店舗に実際に足を運んでもらうとか、キャンペーンに参加してもらうとか、具体的な“行動”に定着させていく工夫が必要。そのために特に重要なのが、インターネット上でのランディングページの設定。

長くなりすぎたので、端折りますが、フェイスブック上でエンロールしたら、具体的な行動を誘発するために、相手に何をしてほしいかを伝える必要がある。でも、それをフェイスブック上でするには無理がある。なので、自社サイトに誘導して、なにをするべきか、どういうふうにするか、の具体的な手順を教えてあげる。

この長いプロセスを経て、フェイスブックを活用したビジネスっていうのは効果が生まれるんですね(ふぅ)。

お互い、頑張りましょ。そして、長い文章にお付き合いいただいて、ありがとうございました。
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Posted by 知念哲郎 at 2012年09月14日 12:58
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異業種交流会の意義とは?

世の中には様々な「異業種交流会」があります。私自身も実は今回から、主催者として異業種交流会を開催いたします。

その中、「異業種交流会の目的って何?」とか、「〇〇会に参加してるけど、全然集客には繋がってないよ」というような声をよく聞きます。

異業種交流会についての考えは人それぞれで、当然「こうあらねばならない」という型などありませんが、私はこう考えてます。

いくらたくさんの異業種交流会に参加しても、ただ「参加しているだけ」では、単に名刺が増えるだけ。

名刺の数=人脈の数 ではありません。

積極的にPRして売り込むのもいいですが、本当に売り込むべきは、商品やサービスではなく、経営者の人柄じゃないでしょうか。

「人としてお付き合いしたい」と思われるような人間関係を作れれば、後は何も言わずとも何かあれば向こうからやってきます。それよりも、その会に参加することで「自分が何を得られるか?」ではなく「自分が何を与えることができるか?」ということを考えて接することが、何よりのトップ営業に繋がると、私は思います。

だから、私の主催する異業種交流会は、まずは参加して頂いた方々から「楽しかった!」といって頂けること。そして楽しいからまた人を誘って参加者が自然と増える。参加者が増えるから、人脈作りの輪がドンドン広がっていく。

そんな会を目指していきます。

  


Posted by 知念哲郎 at 2012年07月26日 12:40
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金融円滑化法 期限切れの後は・・・

昨年末、2回目の延長が行われた金融円滑化法も、いよいよ来年3月で期限切れとなります。

このまま期限切れを迎えると、同法の適用を受けてきた企業は本来の貸付条件に戻され、元金据置等の再延長は認められないことから、経営改善が出来ずに返済力が不足したままの企業は、実質的に金融機関から倒産宣告をされてしまうということです。

もちろん、来年3月までの間に再延長を認められた企業は、金融機関との合意期間内は返済条件の緩和が認められます。

また、同法が終了したからといって、金融機関がリスケジュール等の条件変更に全く応じないという訳でもありません。企業の実情に合わせて、条件変更することで再生の可能性が増えるのなら金融機関は応じます。

では、応じてもらえない企業とはどういう企業でしょうか。

それは、これまで同法の適用を受けてきた企業の改善計画が下方修正を繰り返し、再生まで相当の時間を要すると判断される場合です。改善計画そのものが絵に描いた餅に終わっており、再度計画を立て直しても計画そのものの信憑性を疑われてしまうという状況です。

また、業績は回復傾向にあったとしても、そのピッチが遅く回収まで数十年を要してしまうと推測される場合も、実質的に回収不可能と判断されてしまいます。

このような企業は来年3月以降、約定返済を要求され、それが出来ない場合延滞となり、保証協会や連帯保証人、担保処分による回収を迫られていきます。

法的手続きによる差し押さえ等も行われることから、取引先の信用不安、従業員の会社に対する不信感等、事業継続が実質困難な状況に陥ります。

また何より、新たに借入が出来ない中、事業継続に必要なキャッシュを生み出す力があるかどうかが問われます。

このような大変厳しい状況に陥ってからの事業再生は、可能性がないわけではありませんが、非常に困難であることは間違いありません。

ですから、現在厳しい状況にある企業は、出来るだけ早めにこの最終の円滑化法の適用申請を行い、本気になって改善計画の達成に取り組まなければなりません。

それも絵に描いた餅とならぬよう、経費削減や資産売却を中心とした極めて実効性の高い計画を作り実行していくことです。
  


Posted by 知念哲郎 at 2012年07月18日 15:08
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固定客を掴むには

どんな商売でも、売上を維持、更には増加させていくためには、顧客数を増やしていかなければなりません。そのために「如何にして新規顧客を獲得するか?」ということに最大限の力を入れている企業が数多くあります。

しかし、新規顧客を獲得している横で、固定客が離れていってしまっているということはありませんか?

毎月10人の新規顧客が生まれても、毎月10人の顧客が離れていってしまっているようでは、穴のあいたバケツに一生懸命水を汲んでいるようなものです。

それよりも、新規顧客は毎月3名でも、固定客が離れていかない事の方が売上は確実に上がっていきます。

では、固定客(リピーター)を増やしていくためにはどうすればよいでしょうか?

答えは至って簡単です。

「リピート率の高いお客様を特別扱いすること」です。常連さんと一見さんを同じ扱いにしないことです。

私の友人がよく行く居酒屋さんの話ですが、年が明けて顔を出したら、「いつもごひいき頂きありがとうございます。」と言ってボトルを1本出されました。

僕にではなく常連客の友人にです。「このお店、ちゃんと常連客を特別扱いしているな」と感心しました。

ボトル1本の仕入原価などたかが知れています。それで顧客のリピート率を高めることができるなら、新規顧客を獲得するために高い広告宣伝費をかけることを考えれば、はるかに安いものです。

しかし、年に一度のことかもしれませんが、人は特別扱いされると嬉しいものです。あまり他のお店に浮気しないで、出来るだけ通おうと思ってしまいます。

航空会社でもそうですよね。利用率の高い顧客を特別扱いします。マイルは貯まり、搭乗も優先され、ラウンジの利用も出来ます。そこまでされれば、なかなか他社に浮気はしないものです。

逆に言えば、何度利用しても一見さんと同じ扱いをされるようであれば、そのお店に意識して通おうと思う理由はなくなります。新しいお店が出来ればきっとすぐに来なくなるでしょう。

激戦と言われる飲食業界でも、このような心配りをしているところは案外少ないものです。特に個人経営のお店であればある程、顧客との距離は近いわけですから、単に「安い」ということで集客する大手を相手にする上で、リピーターを大事にすることを意識することはとても重要なことだと思います。

  


Posted by 知念哲郎 at 2012年07月12日 10:25
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失敗しない為の採用時のポイント

顧問先の社長にこんな質問を受けました。

「今度社員を一人採用することになって、何名か面接に来てくれたんだけど迷ってて・・・。どういう人を採用すればいいのかな?」

僕の答えは以下の通りです。

①社長自身がどんな人を部下にしたいと考えているのか?理想の部下像を明確にすること。
 まず求める人材像がはっきりしていなければ、面接しても何を質問していいのかわかりません。

②面接時の印象でもっとも大切にすべきは、自分の直感。
 要は好きになれそうかどうかという自分の直感を大事にしましょう。特に迷った時ほど決め手は好き嫌いの直感に頼るべきです。なぜなら、あなたが好きになれない人を一生懸命育てようと思いますか?なかなか出来ないものです。

③出来れば2週間程度の試用期間を設け、お互いに見極める。
 この間は採用前の試用期間として、目的はお互いに仕事や会社に合っているかどうかを確認する期間とします。極端な話、一日でもどちらかが合わないと判断したら不採用又は辞退できるものとすることにより、互いの「辞めにくい」「辞めさせにくい」という無駄な時間と労力を省くことが出来ます。


考えてみるとこれって、「どんな人と結婚すればいいのか?」という問いにも同じことが言えそうです。

自分の理想とする結婚相手の条件、そしてお見合いやデートの時に働かせる直感での判断。更にはすぐに結婚するのではなく、同棲期間を設けてお互いに本当に合うのかどうかを見極める・・・。

まぁどちらにも共通して言えることは、自分の実力を考えずにあんまり理想が高過ぎると、なかなか決まらないということですが(笑)



  


Posted by 知念哲郎 at 2012年06月25日 14:23
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勘定より感情が大切です。

先日、顧問先の社長と取引銀行の支店長にお会いしに行ってきました。私は初めてお会いしたのですが、とにかく驚いたのは支店長と社長の関係がこじれ切っていることでした。

数字の説明云々の前に、既にケンカ腰です。

「社長、あれだけ啖呵切っておいて今更お願いですか?」

「知念さん、〇〇社長は私のアドバイスをこれまでことごとく無視してきたんですよ。」

「社長を説得できなかった私の力不足は認めますが、はっきり言って知念さんの言うとおり、感情も入ってますよ。」

等、凄い勢いです。

私なりにフォローはしますが、肝心の社長は怒りをかみ殺すかのように顔を真っ赤にして黙ってしまうので「知念さんがそう言っても、社長はほら、何も言わないじゃないですか」と、また支店長がたたみ掛けるように言ってくる。

決算も赤字ではありませんし、本来ならある程度スムーズに進められると思っている話です。その証拠に、揉めていない他行では十分前向きに検討してくれると言ってくれました。

この場合の一番の問題は、支店長との信頼関係の欠如です。

勘定よりも感情の問題です。

お願いすることが難しければ難しいほど、銀行の支店長、担当者との信頼関係が常日頃どれだけ出来ているかにかかっているかと言っても過言ではありません。

最終的には支店長も「私どもの立場も言葉も理解してくれる知念さんが、間に入ってやってくれるなら安心です。」と言ってくれましたので、まぁ、少しずつ感情のもつれをほぐしていけると確信していますが・・・。




  


Posted by 知念哲郎 at 2012年06月13日 08:59
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